いつかパラソルの下で

大人たちの世界を瑞々しい筆致で綴った、ハートウォーミング・ストーリー。

厳格な父の教育に嫌気がさし、成人を機に家を飛び出していた柏原野々。その父も亡くなり、四十九日の法要を迎えようとしていたころ、生前の父と関係があったという女性から連絡が入り……。

印象に残っている描写は、母が寝込んでいる理由を語る場面。「私が落ち込んでいるのは、死んだ夫が浮気していた事実ではなく、私には夫のように家族に見えない一面が存在しないこと」という。うーむ・・・