ハゲタカ投資家

再読必須の本。

再建のカギを握るのは誰か?大手銀行、経営陣、大口債権者を相手に、したたかな闘いを挑むハゲタカ投資家。その人物像、投資戦略、資金源など、倒産ビジネスの内幕を初めて明らかにした異色ドキュメント。

全部で12件のハゲタカ投資の事例を取り上げ、それぞれのドキュメンタリーを短くまとめた感じになっている。 前提知識として必要になりそうな用語がいくつかある。

チャプターイレブン

連邦倒産法11条。 日本の民事再生法に相当する。
申請後に裁判所の命令で債権の取り立てが停止され、経営陣は債権者と負債の整理や契約の見直しを協議しながら、原則120日以内に再建計画を策定する。
裁判所の認可を得て、経営の立て直しを目指す。
清算型の手続きと異なり、事業継続が前提。 債権者の合意により短期間での再建が可能で、雇用への影響も抑えられる。

ハゲタカ投資

広義には色々用法があるみたいだが、本書においては「経営破綻や経営危機に陥った企業の株式を安く買い叩き、買収企業を再生や解体などした上で株式を高く売って、効率よく多額の利益(売却益)を手にする人」といえる。

十章:どん底での生き残り

ドナルド・トランプは、自分のカジノを救ってくれたハゲタカ投資家に感謝すべきかもしれない

という一文から始まる通り、トランプのカジノとそれを取り巻くハゲタカ投資の話。これだけでも面白い。